2013年5月27日月曜日

テレビでPRするための基礎知識〜苦手なもの

テレビには苦手なものがあります。

苦手なもの① 動かないもの


パソコン、電子部品の世界、画面、本、カタログ、出版物など前回のブログで触れましたが、テレビが苦手なものはまず動かないものです。
パソコン、電子部品の世界、画面、本、カタログ、出版物などは、コーナーのさわりとかキッカケとしては使えますが、単独で全編展開することはできません。

「カメラワークで」ということもできますが、上下左右斜め、寄り引きと、どうしても映像が単調になります。その繰り返しのパターンとなってしまいます。

取材される側はたくさん商品の写真などを撮ることを望まれますが、テレビの対象は取材される側ではなく、テレビを見ている一般の人です。一般の人にチャンネルを変えられれば、見られていないも一緒です。

ちなみにCMはこの法則は当てはまりません。CMの対象はもちろんテレビを見ている一般の人ですが、どちらかというとCMの作り手、いわゆる広告主の満足度が重要だからです。ですからCMの場合、広告主に「カタログを使って欲しい」と言われれば、あらゆる技術と知恵を結集して魅せ方を工夫します。

苦手なもの② 説明に時間のかかるもの


これは前回書きましたが、特に環境関係に多いのですが名前の説明に30秒から1分以上かかるものは、説明でコーナーの大半が終わってしまうので向きません。

テレビにはあつかえないものがあります。


テレビは不特定多数の人が見る媒体です。後になってクレームになりそうなものや社会的責任が問われそうなものは扱えません。テレビマンは確実に視聴率がとれて危険の少ないものをネタとして選びます。
放送後に可能性としてクレームが来そうなネタは、先送りもしくはあつかうことをやめます。

あつかえないもの① 医学的データや学者などの裏付けのない医薬品・健康食品


効果に関して、医学的データや学者などの裏付けのないものは扱えません。
もし、裏付けのない医薬品や健康食品をあつかって、テレビを見た利用者が健康的被害を受けたら、非難は放送局に来ます。担当ディレクターが辞めて収まればいいですが、番組自体がなくなってしまうこともあります。

あつかえないもの② 確実性のない投資話


確実性がない投資話もあつかえません。理由は医薬品や健康食品と同じです。テレビを見た投資家が損失を受けた場合、非難は放送局に来ます。

あつかえないもの③ 公序良俗に反するもの


これは言うまでもないでしょう。テレビを見る人は限定されていません。極端な話0歳の赤ちゃんからおじいさん、おばあさんまで不特定多数の人が見ています。「子供に見せたくない」など、どこかの年齢層が顔をしかめるものはネタとして排除します。

これまでは一般的ネタとしてあつかえないものをお話しました。
テレビは影響が大きいため、テレビマンは、少しでもトラブルの危険性があるものはネタとして排除します。もし、ディレクターがゴーサインを出しても、番組責任者のプロデューサーやデスクがチェックします。


 一般的ネタであってもあつかえないもの


一般的ネタであってもあつかえないものがあります。


 一般的ネタであつかえないもの① 提供しているスポンサーの対抗商品


これはおわかりだと思いますが、提供しているスポンサーの対抗商品はあつかえません。

例)アース製薬が提供なのにフマキラー開発商品を紹介する。
  パロマが提供なのにリンナイの開発商品を紹介する。
  JTが提供なのに禁煙グッズを紹介する。

一般的ネタであつかえないもの② みんなが知っていて新しい話題のないもの


最後に一番重要なことです。一般的に知られていて、新しい話題のないものはあつかえません。どんなに自社製品の作りが良心的で優れていても、一般の人からみれば同じものは扱えません。

 例えば六面体パズル「ルービックキューブ」。みなさんよく知っていますよね。特に
新たな話題もありません。みなさんがテレビを点けて「ルービックキューブ」の説明をされても、「いまさらこんなもの出されても」とチャンネルを変えてしまいますよね。

ただ、知られているものでも工夫次第で取り上げてもらえる可能性もあります。
今後この方法についても触れていきます。


2013年5月19日日曜日

テレビでPRするための基礎知識〜その商品・サービスは動きますか?


今日はテレビでPRするための基本を話させていただきます。
今、PRされようとしているもの、それは動きますか?
あなたの商品・サービスは動きますか?動きを映像で撮ることができるでしょうか?
特に中継では重要視されます。

テレビは動画です。
テレビは、特に中継では短時間で「動かない」、「進展しない」または、「話だけ」ものは苦手です。

動かない物の例
例として、名刺です。
このお話は、取材を受けていただいた方の名誉のために申し上げますが、取材依頼を受けたものではなく、私が取材を申し込んだ私の失敗談です。

札幌にペットボトルやバナナの皮など、今まで捨てられていた物を名刺用紙として再生させて使う印刷会社があります。「環境を守る」とか「エコ」の時流もあって、新聞などで話題になりました。
通常、名刺のように動かないものはテレビで扱いません。
ただし、名刺に動きがあれば別です。
例えば、「折りたたんであって、開くと立体になる」とか、「携帯などでバーコードを読むとメッセージ入りの映像が出る」とか、「スマートフォンで見ると3D映像が見られる」ならあつかえます。新たな情報と情報を見るためのワンアクションがあるからです。

しかし、この時は名刺用紙が本来紙の原料以外から、どのように作られるか興味がありました。
どんな薬品を使うのか?どんな機械を使うのか?
「『エコ』になる工程が撮れるかもしれない」と、思いました。

私は事前取材に伺いました。
社長ら会社のスタッフとお会いし、開発までのお話や情熱、アイデアなど様々な話題で話は盛り上がりました。
が、中継は断念せざるをえませんでした。

理由はその会社には、撮影できる物が名刺用紙と印刷の機械しかなかったからです。
動くものは名刺の印刷機だけ。これでは、普通の印刷屋さんと変わりません。

私がで一番見せたかったのは「エコ」になっていく過程の映像です。
しかし、できた名刺のいわゆる「紙」は本州に発注しています。会社には完成品しかありません。
テーマとして「エコ」の動きがある映像が撮影できないのです。
ディレクターが見せたい、動きのあるものを撮影できない場合、ネタとして成り立ちません。

進展しない物の例
もうひとつの例は、環境関係の話題です。
環境関係の話題は説明に1分以上かかるものが多数あります。番組のコーナー大抵最大5分。
ディレクターは物などの説明に1分以上かかるものはあつかいません。理由は説明中にチャンネルを変えられてしまうからです
私は省エネルギー普及指導員もやっているのでよくわかるのですが、環境関係のネタは映像化できないもの、珍しいものではないことが多いのです。

3・11以降、太陽光発電や風力発電が再注目され話題になりましたが、イメージとして一般的になり、最近ではテレビの題材として見ることが少なくなりました。
例えば、太陽光発電の一般的な映像構成パターンは以下のようなものになります。

太陽光パネル
   ↓
発電量計ディスプレイ
   ↓
発電した電気をつかう
   ↓
電柱・電線(電力会社に売る)
   ↓
電気使用量明細
   ↓
設置した方の感想。 

一般的にこのような流れになります。みなさんも見慣れた映像ではないでしょうか?
テレビは目新しいことを探しています。同じ話題でも新たな展開が撮影できなければ、あつかうことができません。

みなさんもすでに知っていることを放送していても見ないですよね。

動かないものでも、PRできる場合
ただし、商品やサービス自体に動きがなくても、テレビで扱える場合があります。それは「どう使われるか?」などを一連の映像として撮影できることです。
商品やサービスを売り込む場合、製造工程など過程や使われる「動き」を考えておくことが必要です。


テレビでPRすることに興味を持たれたら札幌PR戦略研究所のホームページを
ごらんください。

2013年5月3日金曜日

広告とPRの違い


テレビ番組PRアドバイザーの千葉英樹です。
現役フリーテレビディレクターでNHKにも在籍していました。
NHK在籍中、生中継のコーナーを4年間担当。イベント、食、クラフト、ユニークな場所など幅広い話題で年間70本ほどを手がけていました。
その経験から「広告費はないけどPRはしたい」方向けにその方法をお話して行きたいと思います。

テレビは終わっているのか?

「これからの時代テレビが死にネットが生き残る」という主張が某IT企業社長らを中心に展開されました。大学でマーケティング関係を教える教授なども「テレビは終わった」と言われています。確かに企業の広告費は年々減っています。
が、本当にそうでしょうか?

インターネットとテレビの違い

インターネットとテレビの違いはネットは見に行かなければサイトが人の目に触れることはない。
テレビはながら見ができる
テレビ、特に地上波テレビとインターネットはユーザーとのコミュニケーションが全く違います。
相手がサイトを見る意志がければ、ネット情報は人目に触れません。しかしテレビは「なんとなく見ていた」「たまたまテレビをつけていた」人にまで情報をリーチすることができます。情報に触れることのできる数が圧倒的に違います。

『広告』と『PR』の違い

広告とは…
お金を出して、宣伝をすること。テレビではCMを流したり、番組枠そのものを買ってCMを集中的に流したり、番組そのものを広告として使う。新聞などでは広告のスペースをお金を払って押さえる。

PRとは…
新商品などを発表し広めること。マスコミに出るために広告代理店、テレビ局などのマスコミ媒体に直接お金は払わず、商品等の発表を媒体への掲載や放送を依頼したりすること。

当然後者の場合はマスコミの側に選択権があるのは言うまでもないことでしょう。

テレビでPRするにはコツがある
テレビのスタンスは『大衆に知らせるべき情報』や『有益で知られていない情報』の発信が
基本です。
「テレビマンは知られていない」+流行や季節などの「付加価値」があるネタを探しています。

話題によってはNHKでも売り込める
話題によってはNHKにも売り込めます。
題材だって話題のものを扱うということでは民放と同じです。
受信料で経営を立てているNHKでは企業名を徹底的に排除して番組に仕立てます。
そこには扱う前提(テーマ)が必要です。

例えば…

今流行のもの。人気のもの…食ならちょっと前から流行っている塩麹
時節柄…季節性。食べ物なら旬。冬に向けては鍋物。
先端技術…私達の身近に役立ちそうなもの。

ただし、業界初とか業界トップとか一般の人に関心のうすいものは扱えません。

今回は基本的なことでしたが、テレビ番組向けのPR方法を順次お伝えしていきます。

テレビでPRすることに興味を持たれたら

札幌PR戦略研究所 http://chibahideki.wix.com/sapporo-prをごらんください。